開発に使える補助金の選び方|制度を間違えると通りません
2026年10月時点で、開発に使える国の主な補助金は、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(旧・ものづくり補助金の後継)、デジタル化・AI導入補助金(旧・IT導入補助金)、中小企業省力化投資補助金、小規模事業者持続化補助金の4つです。「補助金で開発したい」というご相談で最初に決めるのはどの制度を使うかです。作りたいものによって適した制度が変わり、間違えると採択されません。当社は東京都の奨励金を実際に活用して開発し、実績報告まで通しています。制度を紹介するだけでなく、通した側から設計します。
使える制度を相談する(無料) 資料や図面があれば、contact@revot.jp へメールでお送りいただいても構いません。
開発に使える主な制度(2026年10月時点)
「補助金で開発したい」というご相談で最初に決めるのはどの制度を使うかです。作りたいものによって適した制度が変わり、間違えると採択されません。
2026年10月時点で公募している国の主な制度と、東京都の奨励金は次のとおりです。ものづくり補助金と事業再構築補助金は公募を終了しました(公募を終了した制度・名前が変わった制度)。
| 制度 | 向いている開発 | 補助の目安 |
|---|---|---|
| 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(旧・ものづくり補助金の後継) | 新しい製品・サービスの開発、新事業への進出に伴う設備・システムへの投資 | 1/2〜2/3補助 |
| デジタル化・AI導入補助金(旧・IT導入補助金) | 業務効率化のためのソフトウェア導入(登録されたITツールが対象) | 1/2〜4/5補助 |
| 中小企業省力化投資補助金 | 人手不足の解消につながる設備・システムの導入(一般型は個別の現場に合わせた設備導入・システム構築) | 1/2〜2/3補助 |
| 小規模事業者持続化補助金 | 小規模事業者の販路開拓に伴う小規模な開発 | 2/3補助 |
| 東京都の各種奨励金 | 特定テーマ(カスハラ対策など)の取り組み。定額支給で自己負担なしのものがある | 定額 |
「奨励金」は補助金と性質が違います。補助金が「かかった費用の一部を後から補助」なのに対し、東京都の一部の奨励金は定額支給で、要件を満たせば実質的な持ち出しがほぼありません。当社は東京都のカスハラ対策奨励金(定額40万円)を実際に活用してカスハラガードAIを開発しました。
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(旧・ものづくり補助金の後継)
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は、新しい製品・サービスの開発、既存事業とは異なる新市場への進出、輸出に向けた国内体制の強化に使う設備・システムへの投資を支援する国の補助金です。ものづくり補助金と中小企業新事業進出補助金を統合した制度で、2026年6月に第1回の公募が始まりました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 何に使えるか | 新しい製品・サービスの開発/既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出/海外市場開拓に向けた国内の輸出体制の強化 |
| 補助率 | 1/2〜2/3(枠と会社の規模による) |
| 補助上限額 | 750万〜7,000万円(枠と従業員数による。賃上げ特例で最大9,000万円) |
| オーダーメイド開発 | 補助対象経費に「機械装置・システム構築費」(専用ソフトウェア・情報システムの購入・構築を含む)が挙げられています |
| 公募の状況 | 第1回公募の応募締切は2026年10月30日 18:00 |
| 公式サイト | 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(中小企業基盤整備機構) |
枠は3つあります。革新的新製品・サービス枠は、補助率が中小企業1/2・小規模事業者と再生事業者2/3、補助上限額が従業員数に応じて750万〜2,500万円(賃上げ特例で850万〜3,500万円)です。新事業進出枠(補助率1/2)とグローバル枠(補助率2/3)は、補助上限額が2,500万〜7,000万円(賃上げ特例で3,000万〜9,000万円)です。地域別最低賃金引上げ特例の適用を受けると、1/2の補助率は2/3に上がります。
機械装置やシステムを導入するだけで、新製品・新サービスの開発を伴わない事業は、革新的新製品・サービス枠の対象外とされています。100万円(税抜き)以上のシステム構築費を計上する場合は、実績報告の時に、要件定義書(費用見積書を含む)か、開発費用を算出した資料(作業単価、作業工数、作業時間など)の提出が必要とされています。採択発表は2027年1月の予定です。
デジタル化・AI導入補助金(旧・IT導入補助金)
デジタル化・AI導入補助金は、業務効率化やDXに向けたITツール(ソフトウェア、サービスなど)の導入を支援する国の補助金です。IT導入補助金から名前が変わりました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 何に使えるか | 事務局の審査を受けて登録・公開されたITツール(ソフトウェア、サービスなど)の導入 |
| 補助率 | 1/2〜4/5(枠による。通常枠は1/2以内) |
| 補助上限額 | 最大450万円 |
| オーダーメイド開発 | 対象外です(対象は登録されたITツール) |
| 公募の状況 | 2026年3月30日から交付申請を受付(6次締切は2026年10月30日 17:00) |
| 公式サイト | デジタル化・AI導入補助金2026 |
申請は、事務局に登録されたIT導入支援事業者と組んで行います(複数者連携デジタル化・AI導入枠を除く)。通常枠の補助額は、5万円以上150万円未満、または150万円以上450万円以下です。クラウドサービスの利用料と、相談対応などのサポート費用も対象に含まれます。
中小企業省力化投資補助金
中小企業省力化投資補助金は、人手不足に悩む中小企業の省力化投資を支援する国の補助金です。カタログから製品を選ぶ「カタログ注文型」と、個別の現場に合わせて設備やシステムを導入する「一般型」があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 何に使えるか | カタログ注文型はカタログに掲載された汎用製品の導入/一般型は個別の現場や事業内容に合わせた設備導入・システム構築 |
| 補助率 | 一般型は中小企業1/2、小規模事業者・再生事業者2/3/カタログ注文型は1/2以下 |
| 補助上限額 | 一般型は従業員数に応じて750万〜8,000万円(大幅な賃上げを行う場合は最大1億円)/カタログ注文型は500万〜1,000万円(賃上げ要件を達成した場合は最大1,500万円) |
| オーダーメイド開発 | 一般型は、オーダーメイド設備などを導入する事業計画であることが要件です |
| 公募の状況 | 一般型は公募回ごとに受付(第8回の応募締切は2026年10月16日 17:00)/カタログ注文型は交付申請を随時受付 |
| 公式サイト | 中小企業省力化投資補助金 |
公募要領は、ICT・IoT・AI・ロボット・センサーなどを活用し、事業者の個々の業務に応じて専用で設計された機械装置やシステムを「オーダーメイド設備」と定めています。汎用設備を単体で導入するだけの事業と、対外向けの販売を前提とする設備・システムの開発を含む事業は、対象外とされています。一般型は公募回ごとの受付で、次回の時期は公式サイトで公開されます。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が自分で作った経営計画に基づいて行う、販路開拓などの取り組みを支援する国の補助金です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 何に使えるか | 小規模事業者の販路開拓などの取り組みと、あわせて行う業務効率化 |
| 補助率 | 2/3(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4) |
| 補助上限額 | 50万円(特例の上乗せで最大250万円) |
| オーダーメイド開発 | システムの開発は「ウェブサイト関連費」に入り、補助金交付申請額の上限は30万円(税込)です |
| 公募の状況 | 一般型 通常枠 第20回の申請受付は2026年11月5日〜12月15日 17:00 |
| 公式サイト | 商工会議所地区/商工会地区 |
対象は小規模事業者です(商業・サービス業は従業員5人以下、宿泊業・娯楽業と製造業その他は20人以下)。補助上限額は、インボイス特例で50万円、賃金引上げ特例で150万円、両方を満たすと200万円が上乗せされます。ウェブサイト関連費だけでの申請はできません。チラシやウェブ広告などの広報費も、補助金交付申請額の上限は30万円(税込)で、広報費だけでの申請はできません。販売を目的としたシステムやソフトウェアの開発は対象外とされています。
公募を終了した制度・名前が変わった制度(2026年10月時点)
古い名前で探している方のために、いまの状態をまとめます。
| 制度 | 今の状態 |
|---|---|
| ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金) | 公募終了(第23次締切。公募の締切日は2026年5月8日)。後継は新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 |
| 事業再構築補助金 | 公募終了(第13回公募で新規の応募申請の受付を終了)。新市場・高付加価値事業への進出は、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の新事業進出枠が支援の対象にしています |
| 中小企業新事業進出補助金 | 公募終了(第4回公募が最後)。新規の受付は新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 |
| IT導入補助金 | 名前がデジタル化・AI導入補助金に変わりました。制度は続いています |
制度の名前・要件・締切は公募回ごとに変わります。このページの内容は、2026年10月14日に各制度の公式サイトと公募要領で確認したものです。申請の前に、その時点の公募要領で確認します。
制度選びで間違えやすい点
- デジタル化・AI導入補助金(旧・IT導入補助金)は「登録されたITツール」が対象――完全オーダーメイドの開発は対象外です。既存ツールの導入+カスタマイズという形が適します
- 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は「新製品・新サービスの開発」が本筋――既存業務の効率化だけでは弱く、新製品・新サービスの要素が要ります。機械装置やシステムを導入するだけの事業は、革新的新製品・サービス枠の対象外とされています
- 新事業進出枠は「新しい製品等」と「新しい市場」の両方が要件――既存事業の延長では通りません。既存の製品等と対象の市場が同じ場合は、該当しない例として公募要領に挙げられています
- 主な内容を外注するだけの事業は対象外――新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の公募要領は、「補助事業の主たる内容そのものを他者へ外注又は委託する事業」を補助対象外としています。発注する会社が主体となって進める計画であることが要ります
- 交付決定前の発注は補助対象外――ここを間違えると全額自己負担になります。最も多い失敗です
当社の関わり方
① 何を作るかを決める
ここが曖昧なまま書類を整えても通りません。技術的に何が可能かを含めて、まず作るものを固めます。
② 使える制度を洗い出す
作るものと会社の状況から、適した制度を比較します。補助率だけでなく、要件・スケジュール・報告の手間まで含めて判断します。
③ 技術要件と見積りを固める
システム構成、開発工程、期間、費用の内訳を、審査員に説明できる根拠つきで作ります。ここが開発会社が入る価値です。
④ 事業計画・申請
事業計画書と申請書は、申請する会社が作成して提出します。技術面に加えて市場性・収益性・実現可能性を書きます。技術面の説明に使う資料は当社が用意し、内容のご相談に応じます。
⑤ 交付決定 → 開発
交付決定日を起点にスケジュールを引きます。それより前に発注すると補助対象外です。
⑥ 実績報告 → 入金
申請した会社が証憑と報告書類を揃えて提出します。技術面の資料は当社が作成します。証憑は開発中から集めます。
株式会社revotは、技術要件の整理、見積書、開発計画の資料づくりを担当します。申請書の作成と提出は申請する会社が行い、必要な場合は行政書士などの専門家と進めます。採択を保証するものではありません。
資金繰りの注意点
補助金は後払い(精算払い)です。開発費はいったん全額を自社で立て替え、実績報告のあとに補助分が入金されます。
| タイミング | |
|---|---|
| 申請・審査 | 1〜3か月 |
| 交付決定 | ここから発注可能 |
| 開発・支払い | 全額を自社で立て替え |
| 実績報告 | 開発完了後 |
| 入金 | 報告から1〜3か月 |
つなぎ資金が必要になる場合は、融資の事業計画書作成支援もあわせてご相談ください。
実際に補助金・奨励金で開発したもの
- カスハラガードAI――東京都のカスタマーハラスメント対策奨励金(定額40万円)を活用。通話・メール・チャットをAIが解析し重要度を判定するシステム(開発事例)
- 農産物の収量予測システム――茨城県のDX事業。ドローン撮影から画像解析・収量予測まで(農業ドローン×AI)
「制度を紹介するだけ」ではなく、自社で申請して採択され、開発して報告まで通した経験があります。審査で何が見られるか、報告で何を求められるかを、実際に通した側から設計できます。
申請で落ちる典型的な理由
制度選びが正しくても、書き方で落ちます。実際に多いのは次の型です。
- 「何を作るか」が具体的でない:審査員はその分野の専門家とは限りません。専門用語を並べるより、何がどう良くなるかを具体的な数字で書くほうが通ります
- 制度の目的と合っていない:制度ごとに狙いがあります。設備投資を促す制度に、人件費中心の計画を出しても評価されません
- 実現可能性が示せていない:やりたいことは分かるが、できる根拠がない。誰がどう作るのかを書きます
- 数字の裏付けがない:売上見込みの根拠が「市場が伸びているから」だけになっている
- 加点項目を取りこぼしている:賃上げ、事業継続力強化計画、経営革新計画など。取れる加点を取らないだけで不採択になります
- 締切直前に着手している:認定支援機関の確認や必要書類の取得に時間がかかります
採択後のほうが手間がかかります
見落とされがちですが、補助金は採択されてからの実務が重い制度です。
- 交付決定前の発注は対象外:先に発注すると補助されません。順序を間違えると全額自己負担になります
- 相見積りが必要:一定額以上は複数社からの見積りが求められます
- 証拠書類を全部残す:見積、発注、納品、検収、請求、支払。1つ欠けるとその分が対象外になります
- 実績報告:計画どおりに使ったことを書類で示します。ここで減額されることがあります
- 入金は最後:先に支払い、後から受け取ります。その間の資金は自前で用意します
- 事業化状況の報告:採択後、数年にわたって報告義務が続きます
当社は制度の選定から申請、開発、実績報告まで一貫して対応します。開発会社が実績報告まで見ているかどうかで、採択後の負担が大きく変わります。なお、採択を保証するものではありません。
ご相談時にうかがうこと
- 作りたいもの――決まっていなくても、解決したい問題があれば大丈夫です
- 会社の規模――従業員数・資本金で使える制度が変わります
- いつまでに必要か――公募期間があるため、逆算が必要です
- 立て替えられる資金があるか――後払いのため、ここは先に確認します
よくある質問
開発にはどの補助金が使えますか?
作るものによります。新製品・新サービスの開発なら新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(旧・ものづくり補助金の後継)、業務効率化のためのソフトウェア導入ならデジタル化・AI導入補助金(旧・IT導入補助金)、人手不足の解消につながる設備・システムの導入なら中小企業省力化投資補助金、小規模な販路開拓なら小規模事業者持続化補助金が候補です(2026年10月時点)。東京都には特定テーマで定額支給される奨励金もあります。
IT導入補助金でオーダーメイドのシステムは作れますか?
IT導入補助金は、名前が「デジタル化・AI導入補助金」に変わりました。対象は「登録されたITツール」のため、完全なオーダーメイド開発は対象外です。既存ツールの導入+カスタマイズという形が適します。完全な独自開発なら、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金や中小企業省力化投資補助金(一般型)を検討します。
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金で、IoT機器やロボットの開発費は対象になりますか?
公式サイトと公募要領(第1回)では、補助対象経費に「機械装置・システム構築費」が挙げられています。専ら補助事業のために使う機械装置、工具・器具の購入・製作と、専用ソフトウェア・情報システムの購入・構築に要する経費です。機械装置やシステムの製作を外注する場合も、この経費に入ります。試作品の開発に必要な原材料費と、検査・加工・設計の一部を外注する費用(外注費。補助対象経費の総額の4分の1まで)も挙げられています。一方で、革新的新製品・サービス枠では、機械装置やシステムを導入するだけで新製品・新サービスの開発を伴わない事業は対象外とされています。補助事業の主な内容そのものを他社へ外注・委託する事業、販売やレンタルを目的とした製品の生産にかかる経費、自社の人件費も対象外です。機械装置は、減価償却資産の区分で「機械及び装置」「器具及び備品」「工具」に当たるものが対象で、「船舶」「航空機」「車両及び運搬具」に当たるものは対象になりません。採択と、個々の経費が対象になるかの判断は、事務局が行います(2026年10月時点)。
ものづくり補助金は、いまも申請できますか?
申請できません。ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)は、第23次締切で公募を終了しました。後継の「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」の第1回公募が、2026年6月に始まりました(応募締切は2026年10月30日 18:00)。公募の時期と要件は回ごとに変わるため、公式サイトの公募要領で確認します。
事業再構築補助金は、いまも申請できますか?
申請できません。事業再構築補助金は、第13回公募で新規の応募申請の受付を終了しました。既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出は、いまは「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」の新事業進出枠が支援の対象にしています(2026年10月時点)。
補助金で最も多い失敗は何ですか?
交付決定前に発注してしまい補助対象外になることです。スケジュールは必ず交付決定日を起点に引く必要があります。また補助金は後払い(精算払い)のため、開発費を一度全額立て替える資金繰りも必要です。
補助金の申請から入金までどのくらいかかりますか?
申請・審査に1〜3か月、交付決定後に開発(この間は全額自社で立て替え)、開発完了後に実績報告、報告から入金まで1〜3か月が目安です。つなぎ資金が必要な場合は融資の事業計画書作成支援もあわせてご相談ください。
補助金の申請だけ手伝ってもらえますか?
当社は開発会社なので、開発とセットでのご支援を基本としています。技術要件と見積りの根拠を審査員に説明できる形で作れることが、開発会社が入る価値だからです。申請書の作成と提出は申請する会社が行い、必要な場合は行政書士などの専門家と進めます。採択を保証するものではありません。
作るものが決まっていなくても構いません。解決したい問題から、使える制度と進め方をご提案します。
資料や図面があれば、contact@revot.jp へメールでお送りいただいても構いません。