ネットワーク計測ノート 01

同じWi-Fiにつながっている機器を
iPhoneで確認する

ルーターの管理画面を開かなくても、iPhoneから同じネットワークの機器を数えられる。Sockettaは192.168.1.1から254までを順に当たり、応答したIPと開いているポートを並べる。掲載画面の例では6台。番号の読み方と、出てこない機器の扱いまで。

検出
6
走査範囲
.1–.254
既定ポート
22 80 443 8080
同時接続
50
PUBLISHED 2026-09-02数値は掲載画面の表示例とアプリの実装から

家のWi-Fiに何台つながっているのかは、ルーターの管理画面を開けば分かる。ただ、ログイン情報を探して接続一覧のページにたどり着くまでに手間がかかる。iPhoneのSockettaなら、同じネットワークの機器のうち指定したTCPポートに応答したものを、1分ほどで一覧にできる。App Storeの掲載画面に出ている6台の例をもとに、手順と読み方を追う。

01 / STEPSLANスキャンを1回走らせる

STEP01

自分のIPアドレスを控える

Wi-FiタブのInfoに、インターフェース・IPアドレス・サブネットマスク・ルーターの4行が出る。例では IPアドレスが 192.168.1.23、サブネットマスクが 255.255.255.0。iPhoneの「設定 › Wi-Fi › 接続中のネットワークの (i)」でも同じ値が見られる。

STEP02

Scannerタブで Mode を LAN にする

このモードは /24 を前提にしているので、例のようにマスクが 255.255.255.0 なら Base IP には自分のIPアドレスの最後の数字を0にしたもの(192.168.1.0)を入れる。Range は既定の 1〜254 のまま。ポート欄は既定で 22,80,443,8080 が入っている。

STEP03

Start LAN Scan

初回はiOSが「ローカルネットワーク上のデバイスの検索および接続」の許可を求めるので許可する。アプリは 192.168.1.1 から 192.168.1.254 までの254個の番号へ、最大50本同時にTCP接続を試みる。1つの番号あたりの待ち時間は既定で2.0秒。応答があった番号だけが Discovered Hosts に残る。

STEP04

一覧を読む

各行は「IPアドレス/ホスト名/Open: 開いていたポート番号」の3段。ホスト名の行は出ないことも多い(理由は後述)。行を長押しすると Copy IP でアドレスをコピーできる。

02 / READ掲載画面の6台を読む

App Storeの掲載画面では、次の6台が表示されている。番号と開いているポートは、それぞれが何の機器かを推測する手掛かりになる。

SCANNER — LANDiscovered Hosts (6)
192.168.1.1Router (Gateway)Open: 53, 80, 443
192.168.1.12Living-Room-TVOpen: 8009
192.168.1.23Johns-MacBook-ProOpen: 22, 88
192.168.1.31Echo-DotOpen: 4070
192.168.1.44HP-LaserJet-M283Open: 631, 9100
192.168.1.57synology-nasOpen: 445, 5000
ポート役割そこから分かること
53DNSTCPの53で待ち受けている。DNSの可能性があり、家庭ではルーターのDNS中継であることが多い。
80 / 443HTTP / HTTPSHTTP/HTTPSに多い番号。Web管理画面やAPIの可能性があるが、接続できただけでは中身は分からない。ルーター、NAS、プリンター、カメラなど。
22SSHリモートログインを有効にしたMacやLinux機、NAS。
88KerberosKerberos認証の番号。共有機能を有効にしたMacで開くことがあるが、Linuxやディレクトリサーバーでも開くので、22との組だけではOSは決められない。
631 / 9100IPP / 印刷データ受け口631はインターネット印刷プロトコル、9100は印刷データを直接受ける番号。2つ揃えばプリンターかプリントサーバーの可能性が高い。
445 / 5000SMB / NASの管理画面445はWindows共有。5000番の管理画面との組はSynology製NASの既定構成と一致するが、ポートだけでは製品は確定できない。
62078iPhone・iPadの同期用iPhone・iPadで開いていることが多い番号。生存判定は先頭の番号で行うので、他のiPhoneやiPadを探すときは62078を先頭に置いて走らせる。

既定のポート欄は 22,80,443,8080 の4つなので、そのままでは631や9100、445は表示されない。プリンターやNASを見分けたいときは、ポート欄に 22,80,443,8080,445,631,9100,62078 のように番号を足してから走らせる。無応答のポートが多いほど時間は延びやすいが、並行して処理するので、ポート数と総時間は単純には比例しない。

03 / LIMITS一覧に出ない機器がある理由

このスキャンは「TCPで接続を試み、何らかの返事があった番号を生きている機器とみなす」方式で、接続が成立した場合も拒否(RST)が返った場合も返事に数え、時間切れまで無応答だった番号は表示されない。出てこないことは、その機器がいないことの証明にはならない。典型は次の4つ。

MACアドレスとメーカー名も表示されない。通常のApp Storeアプリは公開APIでMACアドレスの対応表(ARPキャッシュ)を列挙できないため、IPアドレスから直接MACとメーカーを引く方式が使いにくい。メーカー名まで知りたいときは、ルーターの接続一覧を見る。

04 / VERIFY見知らぬ端末かどうかを判定する

一覧に心当たりのない番号があったときの確かめ方は、消去法が一番早い。

手順やること分かること
1. 数えるiPhone、PC、テレビ、スピーカー、プリンター、NAS、ゲーム機、スマート家電、スマートプラグ、カメラを書き出す台数が一致しても、それだけでは見知らぬ端末がいないとは断定できない。2以降で1台ずつ対応付ける
2. 切って再スキャン電源を切れる機器を1台ずつ切り、もう一度 Start LAN Scan消えた番号がその機器。残った番号が候補
3. ルーター側と照合ルーターの管理画面でWi-Fi接続端末の一覧とDHCPクライアント一覧を開き、同じ番号のMACアドレスとホスト名を見るメーカー名や機器名が出ることが多い。iPhoneは「プライベートWi-Fiアドレス」で本体シールと違うMACになる点に注意
4. それでも不明Wi-Fiのパスワードを変えて、機器を1台ずつつなぎ直すつなぎ直していないのに残る番号は、有線接続、別のSSID、別のアクセスポイント、新しいパスワードを知る端末のどれかを疑う。切断済み端末の古い記録のこともある

3の照合では、ルーター側の一覧に出ていてSockettaの一覧に出ない機器が残る。上で書いた「返事をしない機器」のほか、切断済みの機器の記録がDHCPリースの期限まで残っている場合もある。DHCPクライアント一覧に載っているのは番号を払い出した記録で、今つながっている証明ではない。現在の接続はWi-Fi接続端末の一覧で見る。逆に、Sockettaに出てルーターの一覧に出ない番号は、固定IPの機器、一覧が無線端末しか出さない機種での有線機器、別のDHCPサーバーから番号を受けた機器が考えられる。普通のスイッチはDHCPの要求をそのまま通すので、スイッチ配下というだけでは一覧から消えない。

計測の前提
Socketta の LAN スキャンは ICMP Echo ではなく TCP 接続方式。iOS では任意の raw socket に制約があるが、ICMP の ping 自体が iOS アプリで送れないわけではない。同時接続は最大50本、1接続あたりの待ち時間は 0.5〜10.0 秒で調整でき、既定は 2.0 秒。走査の対象は自分が管理するネットワーク、または明示的な許可を得た対象に限る。
READY ON PORT 01

自分のネットワークで同じ一覧を

ScannerタブのLANモードで開始すると、応答した機器のIP・ホスト名・開いているポートが並びます。LANスキャンとポートスキャンは無料・回数制限なし。

App Store からダウンロード

無料ダウンロード・アカウント不要・計測データは端末内に保存。スキャンは自分が管理するネットワークに限る。