ネットワーク計測ノート 05

自宅のIPアドレス・サブネットマスク・
ゲートウェイをiPhoneで確認する

IPアドレスは端末の住所、サブネットマスクは同じ町内の範囲、ゲートウェイは町の出口。設定アプリで見える3つの数字を、192.168.1.23の例で読み解く。

IPアドレス
192.168.1.23
サブネットマスク
255.255.255.0/24
ルーター
192.168.1.1
使える番号
254
PUBLISHED 2026-09-02数値は掲載画面の表示例とアプリの実装から

プリンターの設定、ポート開放、NASへの接続、ルーターの管理画面。家のネットワークで何かをするたびに出てくるのが、IPアドレス・サブネットマスク・ルーター(デフォルトゲートウェイ)の3つの数字で、iPhoneの設定アプリにもそのまま並んでいる。何を表す数字なのかを、192.168.1.23 の例で読み解く。

01 / TERMS3つの数字の役割

IP ADDRESS
192.168.1.23
端末の住所。家庭では通常、ルーターなどのDHCPサーバーが貸し出す番号で、つなぎ直すと変わることがある(手動の固定IPやDHCP予約なら同じ番号のまま)。正常なネットワークでは重複しないように割り当てられ、設定ミスで重複すると通信障害になる。
SUBNET MASK
255.255.255.0
住所のうち「町内を表す部分」と「家を表す部分」の境目。この 255.255.255.0 の例では先頭3つの数字が町内、最後の数字が家で、先頭3つが同じなら同じ町内。境目は本来ビット単位で決まり、255.255.255.128 のようなマスクもある。
ROUTER / GATEWAY
192.168.1.1
町の出口。宛先が町内でなければ、端末はこの番号へ荷物を渡す。家庭では通常、このルーターを経由してインターネットへ出る。ルーターのLAN側アドレスと同じ。

設定アプリにはもう1つ「DNS」が並ぶ。ドメイン名を番号に変換する係で、家庭ではルーター自身のアドレス(この例では 192.168.1.1)が配られ、ルーターが上流のDNSへ転送する構成が多い。事業者や公開DNSのアドレスが端末へ直接配られる構成もある。

02 / WHEREiPhoneで数字を見る2つの場所

場所操作出る項目
設定アプリ設定 › Wi-Fi › 接続中のネットワークの (i)IPアドレス/サブネットマスク/ルーター、DNS、プライベートWi-Fiアドレス、IPv6の各アドレス
SockettaWi-Fiタブ › Infoインターフェース(en0)/IPアドレス/サブネットマスク/ルーター。各行を長押しでコピーでき、同じ画面からPingやスキャンへ進める
WI-FI — INFO現在の接続
インターフェースen0IPアドレス192.168.1.23サブネットマスク255.255.255.0ルーター192.168.1.1

実際のデフォルトゲートウェイは、DHCPや手動設定で端末に配られる値で、IPアドレスとサブネットマスクだけからは求められない。Sockettaのルーター欄は、IPアドレスとサブネットマスクから求めたネットワークアドレスに1を足した番号(この例では .1)を推定値として示す。家庭用ルーターの大半はこの番号を使うが、ルーターのアドレスを .254 などに変えている構成では一致しない。実際の出口は、設定アプリの「ルーター」欄の値で確かめる。

03 / BITSマスクが決める「町内」の範囲

4つの数字はそれぞれ8桁の2進数で、合わせて32桁。マスクの1が並ぶ桁が町内(ネットワーク部)、0が並ぶ桁が家(ホスト部)を表す。255.255.255.0 は先頭24桁が1なので /24 とも書く。

項目10進2進(ネットワーク部|ホスト部)
IPアドレス192.168.1.2311000000.10101000.00000001.00010111
サブネットマスク255.255.255.011111111.11111111.11111111.00000000
ネットワークアドレス192.168.1.011000000.10101000.00000001.00000000
ブロードキャスト192.168.1.25511000000.10101000.00000001.11111111
端末に使える範囲192.168.1.1 〜 192.168.1.254ホスト部が全部0(ネットワーク)と全部1(ブロードキャスト)を除いた254通り

IPアドレスとマスクの桁ごとの論理積がネットワークアドレス、ホスト部を全部1にしたものがブロードキャスト。この2つは端末に割り当てられないので、/24 で端末に使える番号は256から2を引いた254個になる。LANスキャンが1〜254を走査するのは、この /24 を前提に .0.255 を除いた範囲だから。実際のマスクが /24 以外なら、走査範囲はネットワーク全体とは一致しない。

Sockettaでは、設定タブの Network Tools にあるサブネット計算機に 192.168.1.0/24 と入れると、Network 192.168.1.0、Broadcast 192.168.1.255、Subnet Mask 255.255.255.0、Host Range 192.168.1.1 - 192.168.1.254、Total Hosts 256、Usable Hosts 254 が出る。この計算機は無料で、回数制限もない。

表記サブネットマスク端末に使える数よくある用途
/16255.255.0.065,534大規模な社内網
/22255.255.252.01,022オフィス、学校
/23255.255.254.0510
/24255.255.255.0254家庭用ルーターの既定
/25255.255.255.128126
/26255.255.255.19262
/28255.255.255.24014小さな機器群の分離
/30255.255.255.2522機器同士の1対1接続

04 / RANGES先頭の数字で分かる住所の種類

範囲種類見かけたら
192.168.0.0〜192.168.255.255
10.0.0.0〜10.255.255.255
172.16.0.0〜172.31.255.255
私用アドレス(RFC 1918)。家庭や社内で使うための番号で、公衆インターネットではそのまま経路制御されない。通常はルーターのNATを経由してインターネットへ出る家の中の番号。公衆インターネットからこの番号を宛先にして直接は届かない。外部公開にはNATのポート転送、VPN、中継が要る
169.254.0.0〜169.254.255.255リンクローカル(RFC 3927)。DHCPから番号をもらえなかった端末が自分で名乗るDHCPからIPv4アドレスをもらえず、端末が自分で設定した可能性が高い。Wi-Fi接続、DHCPサーバー、配布範囲、VLANを確認する
100.64.0.0〜100.127.255.255共有アドレス(RFC 6598)。事業者が複数の契約者で1つのグローバルIPを共有するときに使うルーターのWAN側にこれが出ていればCGNAT配下の可能性が高く、家庭用ルーターの通常のポート転送だけでは外からのポート開放ができない
127.0.0.1自分自身(ループバック)。IPv4では127.0.0.0〜127.255.255.255の全体がこの用途で、通常は127.0.0.1を使う端末の中で完結する通信。ネットワークには出ない

インターネット側から見た自宅の番号(グローバルIP)は、iPhoneの設定にもSockettaのInfoにも出ない。外部のIP確認サービスにつないだときに表示される送信元アドレスがそれにあたる。ルーターの管理画面の「WAN側IPアドレス」は、そのルーターが上流から割り当てられた番号で、CGNATや二重NATの構成ではグローバルIPと一致しない。両方を見比べると変換の有無が分かる。WAN側が私用アドレスなら上流に別のルーターかNAT装置があり、家庭内の二重ルーターのほか、集合住宅の共用設備や事業者網内の変換という場合もある。共有アドレスなら事業者側で変換されている可能性が高い。

数字の出どころ
本文の 192.168.1.23/255.255.255.0/192.168.1.1 は説明用の例。2進数の展開とホスト数はマスクの定義から機械的に決まる値で、Sockettaのサブネット計算機も同じ式(ネットワーク=IPとマスクの論理積、ブロードキャスト=ネットワークとマスク反転の論理和、使える数=2の(32−プレフィックス)乗−2)で出している。この式は表にある/30までのブロードキャスト型サブネットの値で、1対1接続用の/31と単一ホストを表す/32には当てはまらない。
READY ON PORT 05

4つの数字と、サブネット計算機

Wi-FiタブのInfoにインターフェース・IPアドレス・サブネットマスク・ルーターを表示。設定のネットワークツールにあるサブネット計算機はCIDRを入れるだけ。

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