リボ払いの支払額は「毎月一定」とは限りません。残高が下の区分に入ると、月々の支払額も下がる。それが残高スライド方式です。どこで支払額が変わり、変わると何が起きるのかを計算で追います。
「固定額か残高スライドか」と「元利定額か元金定額か」は別の軸
支払額の決まり方は、2つの別の軸で見ると整理できます。1つは支払額が残高で変わるかどうか、もう1つはその金額に利息が含まれるかどうか。実際の名称には「残高スライド元利定額」「残高スライド元金定額」のように両方を組み合わせたものがあり、計算方法は各社で異なります。本記事では次のように呼び分けます。
- 固定額モデルと残高スライドモデル
- 残高にかかわらず支払額を固定するのが固定額モデル。残高の区分ごとに約定支払額が決まっていて、残高が境界以下の区分に入るとその回から支払額が下がるのが残高スライドモデル。
- 元利定額と元金定額
- 表示された金額に利息(手数料)が含まれるのが元利定額、元金の額に利息を加えて支払うのが元金定額。上の軸とは別の区分で、固定額・残高スライドのどちらとも組み合わさります。
- この記事の計算
- 区間表の金額を利息込みの支払額とする残高スライド元利定額モデル(支払額の中から利息を引き、残りが元金に充当)。比較対象は、最初の支払額を据え置く固定額モデル。
説明用の区間表
区間と金額はカード会社ごとに違い、規約の改定でも変わります。ここでは説明のために、次の仮の表を使います。
区間の判定は、この記事では毎月の支払前の残高で行っています。実際の判定基準日は各社で異なり、締め日や約定返済日前の残高などが使われます。
下の区分に入るたびに起きること
残高¥300,000、年率15%から始めると、最初の支払額は¥7,000。初月の利息は¥3,750で、元金は¥3,250減ります。
- 1ヶ月目 残高¥300,000 → 支払¥7,000(利息¥3,750)
- 28ヶ月目 残高¥196,387 → 支払額が¥5,000に下がる(利息¥2,455・元金¥2,545)
- 60ヶ月目 残高¥96,998 → 支払額が¥3,000に下がる(利息¥1,212・元金¥1,788)
- 101ヶ月目 完済。利息の合計は¥174,046
下の区分に入るたびに、元金の減りが鈍ります。28ヶ月目に支払額が¥2,000下がると、元金の返済は月¥2,545。60ヶ月目には¥1,788。残高¥100,000を切ってから完済まで、支払いはまだ42回残っています。
同じ¥300,000・15%で、支払額を最初の¥7,000のまま据え置いた固定額モデルでは62ヶ月、利息の合計は¥132,351。スライドで下がるに任せると101ヶ月・¥174,046。差は39ヶ月と¥41,695です。
同じ区間表を元金の額に当てはめ、各月の元金に利息を加えて支払う残高スライド元金定額モデルでは話が変わります。¥7,000の元金に利息¥3,750を加えて初月は¥10,750を払い、残高が減るにつれて支払額も落ちていく。この方式だと完済は68ヶ月、利息の合計は¥104,150です。月々の負担は重い代わりに、期間は元利定額モデルの約3分の2になります。手元のカードがどちらの方式かは、明細の内訳だけでは判別できない場合があります。会員規約や支払コースの説明で、約定額に利息(手数料)が含まれるのか、元金の額に加算されるのかを見ます。
最後の区間が一番長い
残高¥100,000から月¥3,000で返すと、年率15%で44ヶ月、利息は¥30,170。年率18%なら47ヶ月、¥39,672。残高は10万円しかないのに、期間だけ見れば4年近く残ります。区間表の最下段は、金額が小さいぶん期間が長い。
残高が多いほど段が増える
残高¥500,000・年率15%から始めると、支払額は¥11,000→¥9,000(20ヶ月目)→¥7,000(42ヶ月目)→¥5,000(68ヶ月目)→¥3,000(100ヶ月目)と4回下がり、完済は143ヶ月。11年11ヶ月です。利息の合計は¥378,080。¥11,000のまま払い続ければ68ヶ月・¥243,606で終わります。
年率18%・¥300,000では、支払額の変わり目が33ヶ月目と70ヶ月目、完済は115ヶ月で利息¥246,753。据え置きなら70ヶ月・¥184,091。
約定支払額の決め方は、会員規約、商品概要説明書、支払コースの案内、会員向けのWebページ、利用明細などに載っています。RevoKillerには区間表と年率をそのまま入力できるので、手元のカードの区間表で本記事と同じモデルの概算を並べられます。実際の請求額は、日割りか月割りか、区間を判定する日、円未満の処理、新規利用の扱いによって変わります。固定額モデルの計算や一括で返した場合との比較も同じ画面で。
本記事では比較を単純化するため、1ヶ月を等間隔として月利=年率÷12、利息=月初残高×月利で計算します。支払額は区間表を月初残高に当てはめて決め、最終月は残高と利息の合計を支払う。計算の内部では円未満を保持し、表示するときに1円単位へ四捨五入しています。区間表は説明用の仮のもので、特定の会社の条件ではありません。実際の商品には日割り計算があり、請求額、支払回数、完済日は締め日、日数、円未満の処理、新規利用、各社の規約によって異なります。カードのショッピングリボでは契約上「利息」ではなく「手数料」と呼ばれますが、本記事では便宜上まとめて「利息」と表記します。適用される法令と実際の計算方法は取引の種類によって異なります。
自分のカードの区間表で概算する
区間表と年率を入力すると、本記事と同じモデルで残高スライド方式の完済月数と利息を概算。固定額に据え置いた場合との差も同じ画面で。実際の請求額は締め日、日数、円未満の処理、新規利用、各社の規約によって異なります。
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